私が医師を志したのは6歳の時、野口英世のことを知り「私も困っている人を救うことに一生を捧げたい」と思ったことに遡ります。その思いのまま医師となり、循環器内科医として約10年間、心臓カテーテル治療や救急医療に取り組み、いくつもの命を救い得たやりがいがある日々を送りました。
その一方で、過酷な労働環境に加え、医師と患者の信頼関係の薄れに医療現場が疲弊していることに胸を痛めていました。「現代の日本の医療には、何か構造的問題があるのではないか」、日々全力で患者に向かい合う医療現場に立ちながら、次第に思い悩むようになりました。そこで、広い視野で医療界を俯瞰し、その問題解決を図る能力を身につけるべく、一旦医療界から離れる決意をしました。
やるのであれば、世界最高峰の問題解決スキルを習得すべく、その場所をコンサルティングファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーに求め、自ら期限を2年と定め、日本内外の様々な問題解決に全力で取り組みました。その後、医療界に戻る際に自らに課した使命は3つです。
未曾有の高齢社会を迎える日本の問題を医療者の立場から解決すること、その過程では地域の患者、家族と心からの信頼関係に基づいたヒューマンケアを実践すること、その結果、現在および次世代に希望ある社会を創造することの3つです。
これらの目標を達成するために、今社会に必要な「在宅医療」に取り組むことを決め、訪問診療専門の診療所「祐ホームクリニック」を立ち上げました。 設立以来、私たちは、真に患者さん・ご家族が安心してその人らしい人生を送ることができるよう、患者さん、ご家族の言葉に日々真摯に耳を傾け、精神誠意、医療専門職としての知識・技術の提供と、ホスピタリティあふれるヒューマンサービスの実践に努めています。
そのことにより、地域の患者さん・ご家族、および地域の医療・介護に携わる方々との強い信頼関係を構築し、共に生きる・お互いに支え合う地域コミュニティが私たちの周りに萌芽すること、そしてそれが力強く育ち、やがて日本の高齢社会が希望溢れるものとなることを願って、地域の皆さんとともに取り組んでまいります。どうぞ皆さん、ともに希望ある高齢社会コミュニティの創造に取り組みましょう。私たちも全力で取り組みます。
そしが万が一、これらに反する行動が見受けられたときには、どうぞ厳しくご指導をください。
これを見てくださった方といつか出会い、志ともに活動することができることを、心から願っています。
医療法人社団鉄祐会祐ホームクリニック 理事長
一般社団法人高齢先進国モデル構想会議 理事長
NPO法人ヘルスケアリーダーシップ研究会 理事長
医学博士、認定内科医、循環器専門医、米国医師資格試験合格、米国公認会計士、executive MBA。
1990年 開成高校卒業。
1996年 東京大学医学部卒業。
2002年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。
2014年 INSEAD executive MBA修了。